2013年2月2日土曜日

安西水丸さんとの15分間


先週末の話だけど、15分程のショートドライブの道中何気なくJ-Waveを聞いていた。するとイラストレーターの安西水丸さんがゲストとして話されている番組部分にふと意識が止ま留った。

彼は、村上春樹さんの小説に挿絵を書かれている事でも有名な方だ。それ以外にも個人のイラストレーターとしてはかなり成功されていらっしゃる。そんな彼の話につい聞き入ってしまったのは、彼の成功要因の一端を窺い知ることができる内容だったからだ。それはざっとこんな感じ。

・学生時代に既にイラストレーターになることを決めていた。

・イラストレーターの仕事は広告が主体だから、まずは発注側の仕組みを知る為に広告代理店に入社する事に決めた。電通はその筋で一番大きいからそこにした。

・次に雑誌の仕事をしたいと思って、広告の時と同じように編集者の状況を知らなければならないと思い、平凡社に転職した。

・その後、色々の出会いがあって現在に至る。

細かな部分の記憶は曖昧だけど、それでも大事だと思ったポイントは押さえていると思う。

安西さんは、単にイラストレーターになるということを目的としているわけではなく、さそうだ。きっと"誰よりも突出した成果を出し続けるイラストレーター"になることに照準を定めていたのではないだろうか。であれば一度「顧客側の中の人になってみる」という方法は至極当然の選択のように思える。例えば、芸術家として作品を売りたいのであれば、一度アートディーラーになってみる(弟子入りする)、Webサービスを通して自分のコンテンツを売りたいのであればそのサービス提供会社で働いてみる、という選択もありありだ。

彼のように、創作活動そのものを一旦脇に置いて”需要側の構造や仕組みの理解"を優先するのに時間を使うということは、創作を生業とするクリエイターにとっては一見遠回りに思えるかもしれない。しかし、「突出した成果を出し続ける」ことを最終目的地に設定するということは、誰に何をつくり、それをどうやって売るのか、ということを明確にすることで見えてくるものでもある。

これは、ビジネスでは一般的な考え方だ。クリエイターにとってもそこさえ押さえる事ができれば、後はニーズのあるプロダクトやサービスを産み出す作業に集中できる環境が待っている。それって理想的な状態だと思う。勿論、常にアップデートは必要だけど。

営業して作って、或は、作って営業してという自転車操業的なクリエイターライフを続けるよりも、仕事があちらからやってくる仕組みの構築は大事だ。それがクラウドから抜け出せるコツじゃないのかね、と安西さんに教わった15分間でありました!

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